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黒く笑え

文芸評論家川本直のBlog

2月7日発売の『新潮』3月号に評論「アメリカという名の悪夢――ナサニエル・ウエスト論」を寄稿しています

掲載誌告知

 2月7日発売の『新潮』3月号に評論「アメリカという名の悪夢――ナサニエル・ウエスト論」を寄稿しています。この拙論は既に去年の1月あたりに完成しており、その後、柴田元幸新訳ナサニエル・ウエスト『イナゴの日/クール・ミリオン』(新潮文庫)が2017年2月1日に発売される、という一報が入り、掲載が決定しました。実際、拙稿にも「2月1日発売」と書いていました。ところが、柴田元幸新訳はほぼ発売日当日に5月1日発売に延期され、その時には既に校了していたため、訂正が間に合いませんでした。申し訳ありません。なお、上記の事実からもわかりますが、新訳『イナゴの日/クール・ミリオン』は一切参照できませんでした。

 ナサニエル・ウエストは1930年代のアメリカで活動した作家です。長編小説は『バルソー・スネルの夢の生活』、『孤独な娘』、『クール・ミリオン』、『イナゴの日』しか残していませんが、どれも規格外の作品です。特に『孤独な娘』、『クール・ミリオン』、『イナゴの日』は間違いなく、傑作です。

 ウエストは1930年代の大恐慌の時代に活動したため、陰鬱でブラック・ユーモア漂うシュールな作風で「アメリカという名の悪夢」を描き続きました。ウエストの小説世界は現代の日本と驚くほど共通点があります。ウエストこそ現代の日本で最も読まれるべき作家だと言えるでしょう。拙稿が5月1日に発売される柴田元幸新訳ナサニエル・ウエスト『イナゴの日/クール・ミリオン』の露払いとなり、ひとりでも多くの日本人読者にウエストの小説が届いてくれることを心から祈っています。

 

 

新潮 2017年 03 月号 [雑誌]

新潮 2017年 03 月号 [雑誌]